ロシアでは、お正月に飲む定番のワインがあります。
それはスパークリングワイン。1月1日のお正月を迎えるのに、いきいきとした泡 で明るい黄金色をしたスパークリングワインは、特別な日をさらに楽しく盛り上げてくれるアイテムです。
年末になるとスーパーマーケットには、ロシアのスパークリングワインからフランスの高価なシャンパンまで、色々なワインが並びます。ロシアのワインといえば甘口だけしかないと思われがちですが、最近はロシア産のスパークリングワインでも辛口で美味しいものが沢山出てくるようになりました。とはいうものの、多くのロシア人がイメージするお正月の定番スパークリングワインは、緑のガラスにボトリングされたロシア語でポールスラートコエ(露:Полусладкое)の半甘口 かもしれません。ソ連時代の甘系スパークリングワインは昔良き優しい味として、今でも多くの人に愛されているのも確かです。
ロシアのお正月は1月1日、そしてロシア正教会のクリスマスが1月7日と、土日を含めるとお正月休みは1週間以上続き、とにかく長いのです。そんな待ちに待った大切な行事のお正月、年末になるとスパークリングワイン、シャンパン共に売り上げが3.5倍以上増加するとも言われています。*
さて、外国やロシア産のスパークリングワインは、お正月のどのようなシーンで飲まれるのでしょうか?これは、 まさしく年が変わる瞬間です。
大晦日の夜は、暖かい家の中で家族や親友と集まり、テレビを付けて大統領による年越しの演説を聞き、1月1日0時になると日本の除夜の鐘ならず、クレムリンの鐘が鳴り皆んなで「あけましておめでとう!」とスパークリングワインが注がれたグラスを鳴らして、新しい年が来たことをお祝いをします。
ちょっと迷信深い人ならこの鐘が鳴り終わる前に、自分の願い事を紙に書き、燃やして灰にします。更に願わくば、同じくクレムリンの鐘がなり終わる前に、その灰をスパークリングワインが注がれたグラスにパラパラっと撒き、一気にワインを飲み干すことができたら 新年の願いが叶うとか。クレムリンの鐘は12回しか鳴らないので、かなり忙しい除夜の鐘ですね。
お正月の料理は、色とりどりで目でも楽しませてくれるサラダが中心。定番は「オリヴィエ・サラダ」という野菜やお肉をマヨネーズで和えたもの。その他、ニシンやビーツ、じゃがいもを使った「シューバを着たニシン(露:Cелёдка под шубой)」サラダや、いくらのカナッペ、お肉などがお正月のテーブルを飾ります。
そして、お正月映画といえば、年末になると必ず放映されるソ連のラブコメディー「運命の皮肉、あるいはいい湯を (露:Ирония судьбы, или С лёгким паром!) 」。この映画の中では、昔からスパークリングワインが広く飲まれていたことを垣間見ることができます。
「運命の皮肉、あるいはいい湯を」は、映画制作会社モスフィルムの公式Youtubeチャンネルから英語の字幕付きで見ることができます。↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
前編 [再生ボタンを押すと乾杯シーンが見られます!]
後編
当時の生活の様子がいっぱい詰まった、面白可笑しくもありながら、心温まる内容の映画です。全編約3時間と長いですが、いつかチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
* Ntech社調べ2021(https://gk-nt.ru)